1月3日(日)夜7時ONAIR エフエム岩手「SUNDAY坊主BAR」 前回放送文字起こし1
新年一回目の放送は、1月3日(日)夜7時からです。
前回放送で電話インタビューにご出演頂いた西村宏堂さんとの文字起こしをアップします。
ラジオクラウドなどでもチェックできますので、そちらもお聞きいただければ幸いです。
エフエム岩手「SUNDAY坊主BAR」内でアメリカと日本を拠点に活動するメイクアップアーティストでありながら、浄土宗の僧籍をお持ちの僧侶としても活動行う西村宏堂さんに電話出演していただきました。(その様子を一部抜粋いたしました。)
柳咲恵(以下サッキー):さあ、それでは、西村宏堂さんとお電話がつながっています。呼んでみましょう。
全員:こんばんはー。
西村宏堂さん(以下西村):こんばんはー、西村宏堂です。お願いいたしまーす。
全員:よろしくお願いします。
サッキー:さあ、はじめにですね、秀吾さんの方から、西村宏堂さんがどんな方なのかっていうのをご紹介いただけますか。
秀吾:はい、西村宏堂さんは、アメリカと日本を拠点に活動するメイクアップアーティストでありながら、浄土宗の僧籍をお持ちの僧侶としても活動行うという、スーパー和尚さんです。
西村:はい、そうですね、私一応、同性愛者です。私は男性の体に生まれて、自分の性別が男性か女性かどちらか、とはなかなか言い切れず、小さい時から結構お姫様ごっこが大好きでした。でも、性別適合手術を受けたいとか、女性になりたいっていう気持ちはあんまりなくて、自分でもどっちかわからないっていうようなセクシャリティをしております。でも男性が恋愛対象になります。
サッキー:なるほど。今回は、『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』という本をご紹介頂くんですが、西村さん、これはどのような本になっているんでしょうか。
西村:この本は、私が小さい時に自分のセクシャリティで悩んできたこと、例えば、「西村、あいつオカマでしょ」って言われたことがあったりとかして、自分の好きなお姫様ごっことか、ディズニーとか、セーラームーンとかそういった話がみんなとできなくなってしまって。自分が正直に生きていたら、もっと嫌がらせや差別をうけなきゃいけないんじゃないかなって自分を閉じ込めてしまって、劣等感を感じてしまっていたこと。そういったことがきっかけでアメリカに大学から留学していたんですけれども、そこでは、日本人であるということに劣等感を感じてしまった。みんなより背が低かったりとか、目が小さいとか、鼻が低いとか。あとは、文化的なこともあるかもしれないけれども、なかなか友達ができなくて。たぶんこれは日本人だから自分が受け入れてもらえないのかもしれないっていうふうに色々な劣等感を感じていたんです。だけれども、ニューヨークに引っ越して、メイクアップアーティストになる過程で、自分の表現を見つました。そして、お坊さんの修行に参加する上で、私の同性愛者であるというセクシュアリティはまったく恥ずかしいことじゃないんだ、ということを学んびました。皆さんも、同じ経験じゃないかもしれないけれども、自分ってみんなと違うからダメなんじゃないかな、とか、ここはみんなには言えないわっていうところがある人でも、それはみんな人間色々な悩みがあって、色んな人が色んなことを乗り越えて生きているんだっていうことを知れば、自分も弱みを受け入れて、それで胸を張って生きていけるんですよっていう体験談を書きました。あとは、こういうふうにしたらどうですかっていうヒントとか考え方の提案を紹介している本です。
秀吾:読み進めている中で、本当に共感していく部分っていうのがすごいたくさんありました。私はどうしてもお坊さんとしての視線でみてしまうので、例えば観音様だってお洒落してるみたいな言葉でありました。知ってれば当たり前だっていうことが、実は気づかない内に見えなくなっているんだなっていう風なことを、気づかされたりはしておりました。
西村:そうですよね。私は、お寺出身なんですが、小さいときお坊さんになりたくなくて、なんで南無阿弥陀仏って言わなけりゃいけないの、厳格でつまらない、厳しいイメージがあったんです。私はキラキラしたものが大好きなので、マライアキャリーとかビヨンセとかすごい大好きで、それでアメリカに行ったっていうのもあるし、自分にメイクをしてハイヒールをはいて出かけるのも好きっていうのもあったので、お坊さんになっていいのかなという罪悪感や後ろめたさみたいなのがあったんですよ。でも、父が仏教学者なんですけれども、お経によっては、「荘厳に着飾ってる観音様みたいな姿こそがみんなに慕われる要因なんだ、素晴らしい頭脳と肉体と荘厳な装飾品をつけて、それでこそ人を導けるんだ」という教えがあることを父に教えてもらいました。
秀吾:そうですね、華厳経の中に書いていますね。
西村:それで、私はなんか一つの考えとか、一つの伝統だけじゃなくて、本当に知識を持っている人っていうのは、本当に自由なんだなっていうことを感じました。私はダメかと思ってたけれども、これでこそ届けられる人がいる、私がメイクをしてるから、振り向いてくれる人がいる、なんか救ってあげられる人が増えるのかなって希望を感じたので、今では自信をもって自分らしく生きられるようになりました。
秀吾:以前、「心と技術」のお話をされていて、メイクアップアーティストとして、「モデルさんをきれいにしたいっていう心の部分」と、「メイクの技術を使ってモデルさんをきれいにする」というのが、メイクアップアーティストとしてのやりがいとお話ししていました。同様に僧侶として、「心と技術」みたいなことも含めたやりがいなど、メイクアップアーティストとの共通点などはありますか?
西村:そうですね、やはり、私がメイクしてあげる人の、何でメイクされたいのか、何を目標としてどう頑張っているのかっていうことを理解してあげて、じゃあ一緒に頑張っていきましょう、私はメイクで応援しますよっていう風にメイクをする。お坊さんとしても、その人がどういう気持ちで悩んでいるのか、どういった寂しさを抱いているのかっていうことをキャッチしてあげて、その気持ちをこめながら対応をするっていうことで、もっともっとこう、扉を開いてあげられるような、魔法のような相乗効果みたいなものが生まれると思うんですよ。なので、忙しいから、ぱぱぱっとメイクして、これでもう終わりっていう風にするメイクはちょっと味気がなかったりします。逆に理解はしてあげても、お経を間違えちゃってこっちが慌ててしまったらなかなか伝わらないと思うので、両方、欠けていないように、私は常に努力しなきゃな、と思っています。
サッキー:この番組は岩手ではもちろん、全国で、ラジオクラウドなどで聞いていただいている皆さんもいらっしゃると思います。ぜひですね、西村さんからメッセージいただけますでしょうか。
西村:はい。私はLGBTQのお坊さんで、メイクアップアーティストとして活動しているんです。で、そんな人がいていいの?と思われる方も多いと思うんです。でも、私は、お坊さんとして色々な人とお話したりとか、、経典で勉強している人に知恵を頂いて、自分はこれでいいんだっていうふうに思えているんです。なので、なんかもやもやっとして、「こういう風にしちゃいけないのかなー」じゃなくて、しっかり調べて知識を得て自由になるってとても大事なことだと思うんです。なので、みなさんも、あっ、私はこういう仕事してるからこうしちゃいけないんじゃないかな、とか、周りの人がこういう価値観だから、私もそれに沿わなきゃいけないんじゃないかなっていうのを、一回考えなおしてみて、話し合ってもっと自由にできるかもしれないっていう希望を、私を通して見出してもらいたいな、と思っています。なので、ぜひ、もっともっと楽に生きてもらえたら私は嬉しいです。
秀吾:この本を読んで、自分らしく生きる場所の見つけ方と、自信を持てる方法みたいなヒントがたくさん書いてあると思います。そういう色んな人に読んでいただきたいなという風に思っています。
西村:ありがとうございます。私の本の表紙で私が着ている洋服は、レディーガガの新しいアルバムと同じデザイナーさんの洋服を着ているんです。トゲがついてるんですよ、肩に。
サッキー・秀吾:ついてますね。
西村:、ぜひ見ていただけたら、ああこれか、と思っていただけるかな、と思うので、ぜひ見てみてください。
サッキー:今日は西村宏堂さんにお話を伺いました。ぜひスタジオにも、遊びにいらっしゃってください。
3人:ありがとうございました。
西村:ありがとうございました。
サッキー:で、色々とインターネット見ていたら、モデルの水原希子さんなんかと対談している様子だったりとかも出てきて。すごく美しかったです、そのお写真も。
秀吾さん:そうですね。紹介した本の中にもたくさんお写真載っていましたので、ぜひチェックしていただければと思います。
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